Foreign Language Correction

日本語学科の宿題を困っでいますQwQ

31 Mar 2021 (UTC)
#0 朱(shu) [ISOGaWI]
Profile
Nationality
Taiwan
Languages
Message
文が長いですか、協力してほしいです。
Language to correct
Japanese
Text to correct
目錄
第1章 序論
1. 1 研究動機及び目的
1. 2 本研究の構成

第2章 先行研究
2. 1 文化の定義と構成要素
2. 2 台湾で日本アニメの受容
2. 3 日本アニメと日本文化の関連性

第3章 『あたしんち』の場面の分析
3. 1 分析方法
3. 1. 1 風俗習慣
3. 1. 2 食習慣
3. 1. 3 儀式(宗教)
3. 1. 4 価値体系
3. 1. 5 行動のパターン
3. 1. 6 物質文明
3. 2 まとめ

第4章 結論1
4. 1 まとめ
4. 2 今後の課題

参考文献

第1章 序論
1.1 研究動機及び目的
子供の頃、台湾のテレビで『SLAM DUNK/スラムダンク』、『ONE PIECE/ワンピース』、『ドラえもん』、『あたしンち』など様々なアニメに触れることができる。日本のアニメは日本国内だけでなく、海外でもかなりの人気を誇っている。 筆者が大学で日本語を学ぶことを選んだきっかけは、アニメに触れたことによって日本語を学ぶことに興味を持つからだ。
筆者の大学で、日本のアニメやドラマを教材として授業で利用し、日本語の発音、語彙、用法などを教える「日本影視」という授業がある。この授業で筆者は、日本のアニメが色々な日本文化を示せることを気づいた。
例えば、間違った質問は先生から赤ペンで解答用紙にチェックをつける、正解には赤ペンで丸印をつけるとアニメの内容で見える。これは、台湾とは全く異なる試験問題の添削方法だ。台湾では、赤のチェックマークが正解に相当し、間違った問題には赤の丸印やバツが付けられる。
窪田守弘(2007)は、著書『日本文化の学習としての映画』の中で、様々な時代の様々なタイプの日本映画には、その時代の日本人の存在様式や考え方の違いが表れていると指摘している。つまり、映画によって学べる文化が違うということで、この本で紹介されている日本映画には、日本のアニメーションも含まれている。このような観点と上の例から、筆者は、日本のアニメや漫画は視聴者が楽しむためだけではなく、海外の視聴者が学ぶために自国の文化を伝える目的もあると考えている。台湾の親が考えるような、アニメを見ることはゲームをすると同じく、時間の無駄であり、人生の役に立たないものだと違うと筆者は考えている。海外の視聴者が日本のアニメに触れることで、日本文化に対する理解が深まる可能性もある。表面だけを見て、中身を理解していないと、間違った模倣や間違った認識をしてしまう可能性が高く、それも非常に残念なことである。
したがって、本研究の目的は二つある。まず、日本のアニメ・マンガ作品に含まれる文化的要素を特定・分析し、日本文化の常識とその意図を論じ、読者が本論文を通じてアニメ・マンガに含まれる文化的精神を正しく認識できるようにすることである。2つ目は、日本のアニメ・マンガ作品が単なる娯楽ではなく、文化教育の場でもあることを、データ収集と比較を通じて示すことだ。

1.2 本研究の構成
本研究の構成は、以下のようである。
一、先行研究について述べる。
二、アニメからいくつかの場面を取り上げて分類し、分析する。
しかし、日本のアニメ作品の数が多い、分析の対象としてアニメ作品を選んだことも特に重要だ。
分析対象となる作品の知名度が低いと、読者が本研究の内容に共感できない可能性がある。ですから、注目度の高い作品を選んで分析したいと考えている。
だが、『SLAM DUNK/スラムダンク』、『ONE PIECE/ワンピース』、『ドラえもん』、『あたしンち』など有名なアニメはたくさん過ぎる。作品選びに迷っていたところ、『從日本動畫學習日本文化 ─以【鋼彈】系列為例─』と『由日本動畫習得日語及日本文化之研究─以《銀魂》為例─』という2つの論文が目に留まった。前者は「ガンダム」シリーズを通して戦争の視点から日本文化を分析し、後者アニメ「ぎんたま」を通して時事的な視点から日本文化を分析している。この2つに比べて、現在の日本の生活習慣の観点から日本文化を分析してみたいと筆者は考えている。
最終的に本研究では、数あるアニメ作品の中から『あたしンち』を分析対象として選んだ。理由は以下:

日常生活に密着した題材であること
『あたしンち』の主軸は、家族の日常生活をめぐって、スポーツを題材にした『SLAM DUNK/スラムダンク』やセミフィクションの『ドラえもん』、さらにはフィクションの『ONE PIECE/ワンピース』よりも日本の日常生活や些細なことが見せることができる、それが筆者がこの作品を分析対象に選んだ理由の一つである。

知名度が高い
漫画『あたしンち』は、1996年に文芸春秋漫画賞、2002年に手塚治虫文化賞を受賞。テレビアニメ版は2002年4月から2009年9月までテレビ朝日系で放送され、「ドラえもん」や「ちび丸子ちゃん」などの人気アニメを上回る14.7の視聴率を記録した。その人気の高さから、2005年には台湾のテレビで放送されることが始また。
台湾では、2007年から2008年にかけてPTTのオンライン投票で『あたしンち』が人気アニメベストテンの1位に選ばれた。 2010年の母の日を前に、高雄市議会議員の鄭光峰は、高雄市内の小中学生1,058人を対象に『母の日アンケート』を実施した。その結果、自分の母親がアニメ『あたしンち』の『お母ちゃん』のようだと思う人は22%で、1位となった。10年の時を経て、2020年の母の日の週末にバハムートGNNが実施した『母の日投票』では、台湾のネットユーザーが実在の母親に似ていると投票し、1位はやはり『あたしンち』の『お母ちゃん』となった。このアニメの人気の高さがうかがえる、日本だけでなく台湾でもよく知られており、2016年1月22日から4月10日まで国立中正紀念堂で展示されることもできた。
理由は以上で、本研究では、アニメ『あたしンち』からいくつかの場面を取り上げて分類し、分析する。

第2章 序論
2.1 文化の定義と構成要素
蕭富峰(2008)は、『消費者行為』の中で、文化とは、社会の構成員が共有するライフスタイルや行動の枠組みであると定義できる。そして、家族、教育、宗教、政府、企業家などの社会的機関によって伝えられるものと述べた。
蕭富峰は、文化は消費者の行動に広く大きな影響を与えると考えており、さらに文化の構成要素として、習慣、食習慣、社会的タブー、宗教、価値体系、行動パターン、道徳規範、物質文明などを挙げ、以下のように説明した。

(1)風俗習慣:慣習や伝統を含む
a.慣習:過去から引き継がれた、人々の基本的な行動を規定する規範のこと。
例えば、冠婚葬祭など。
b.道徳的規範/社会的タブー:強い道徳的意味合いを持つ慣習で、通常は社会的タブーや禁止された行動を含む。
例えば、イスラム教の国では、女性はヘッドスカーフの着用が義務付けられている。
c.伝統:日常生活における行動のルールを指す。
例えば、家の飾り方や服の着方など。

(2)食習慣:人々の食習慣はその土地の文化に影響され、主食や食事のパターンが異なる。
例えば、台湾人は米や麺を主食とし、ナイフやフォークではなく、箸で食事をする。

(3)儀式(宗教):文化的に象徴的な一連の行為で、複数のステップを含み、一定の順序で行われ、通常は一定の間隔で繰り返されるもの。
例えば、宗教的な儀式(台湾各地の媽祖巡行)、変化の儀式(卒業式、結婚式)、文化的な儀式(バレンタインデー)...など。

(4)価値体系:先ほどは他の要素と一緒に述べたが、その後の議論では、いくつかの文化的要素からなる大きなカテゴリーと考えられ、ここで取り上げた他の要素、例えば、習慣や民俗、食習慣、社会的なタブーなどをカバーするので、ここでは特に取り上げず、それぞれの細分化された要素の下で個別に議論する。そのため、ここでは独立したカテゴリーとしてではなく、サブカテゴリーとして取り上げる。

(5)行動のパターン:時間と空間を含む
a. 時間:違う文化体系の中で、時間の速さや貴重さの解釈が違う。時間の配分の仕方の哲学もそれぞれ違って、時間厳守の習慣や重視の程度も異なる。
例えば、忙しい工業・商業社会では、「時は金なり」と言われ、時間は貴重な財産であり、時間を短縮し、利便性を高める製品やサービスは歓迎される。
b. 空間:違う文化体系の中で、人々は空間に対して異なる意味を与える。パーソナルスペースの定義も異なる。
例えば、中国では男性がフックアップするのは問題ありませんが、アメリカでそれをすると、性的指向があると疑われる可能性がある。

(6)物質文明:それぞれの文化体系は、特定のオブジェクトに異なる意味を与える。
例えば、中国語を使用している国では、時計などの贈り物は「人の死を見届ける」というマイナスイメージがあるため、避けた方が良いとされる。
台湾で日本アニメの受容
Rubin(1998)は、人はまず自分に影響を与える可能性のあるメッセージを選択し、注意を払うようになり、メッセージが読者の反応に影響を与えることができるような関心を生むと述べている。 人々はメディアメッセージのさまざまな側面に注意を払うので、読者がそれらのコンテンツに注意を払うと、メディアコンテンツの影響を受ける可能性が高くなる。
蘇蘅、陳雪雲(2000)が行った調査では、台北の若者がよく見る番組の種類、つまり若者が海外の番組を好んで見る理由を分析する。下の表(図2.1)に示すように、台湾の若者が見ている海外番組の種類は、日本のアニメとマンガが最も多く、その割合は日本のドラマよりもはるかに高い。林瑞端(1991)の『媒介、消費與認同:台灣青少年收看日本偶像劇之效果研究』によると、ティーンエイジャーの日本のアイドルドラマへの関与と、日本のドラマに関連する商品の購入頻度、支出、日本文化への帰属意識との間には、有意な正の相関関係があった。最も相関性が高かったのは「人気商品・アクセサリー」で、次いで「日本の文化・習慣・祭り」、「ライフスタイル(飲食・娯楽)」であった。
以上のことから、台湾では日本のドラマよりもはるかに高い視聴率を誇る日本のアニメが、同等、あるいはそれ以上のインパクトを与えていたはずだと推察される。

詹國新(2002)は小学生が日本のアニメ番組を視聴し、関連商品を購入する状況を調査した。各学校のサンプル数は以下の表の通った。(図2.2)調査では、被験者のほとんどが日本のテレビアニメを好んで見ており、毎日長時間アニメに触れているため、アニメの影響を受けやすいことがわかった。彼らの両親は子どものアニメ視聴にほとんど制限をかけず、視聴するアニメの種類や時間にもあまり干渉しなかったため、子どもたちのアニメ視聴の自主性は比較的高かった。

以上のことから、台湾で日本アニメの受容は高いだけでなく、読者の行動や思考に大きな影響を与えていることがわかる。

2.1 日本アニメと日本文化の関連性
アニメーションの制作過程では、作家や原作者の考えが、その国の思想や文化をその時代背景に合わせて最終的な作品に反映されることが多く、過去にも多くの専門家や学者が同様の概念を異なる視点から指摘する。
大川英明(2006)は、『映画における文化要素と日本語教育』の中で、映画やテレビ作品には、語彙、文法、文型など、日本語教育における基本的な学習項目のほとんどが含まれており、また、日本の社会や文化の紹介や議論に関わる内容も含まれていると指摘する。
大川英明が映画「Shall we ダンス? 例として、文化的要素を抽象的なものと具象的なものに分け、具象的な食べ物、道具、家...などと、抽象的なシステム、習慣、関係...などに細分化する。また、映画の中では、言葉で直接表現されているものもあれば、言葉は直接出てこないものの、映画の背景として描かれているものもあると指摘する。後者は、映画のストーリーや内容に直接、重要な意味を持つものではありませんが、日本の文化を紹介するのに役立つものだ。
窪田守弘(2007)は、様々な時代の様々なタイプの日本映画には、その時代の日本人の存在様式や考え方の違いが表れていると指摘する。つまり、映画によって学べる文化が違うということで、この本で紹介されている日本映画には、日本のアニメーションも含まれる。
李敏綺(2009)によれば、日本のアニメは、日本のドラマのように大衆文化と融合し、社会現象を反映しており、外国の視聴者にとっては、アニメを楽しみながら日本の文化を見ることができる。
岡崎正道(1993)は、著書『ドラマ·漫画による日本語教育』の中で、映画やマンガを日本語学習の媒体として利用することの利点として、手軽に利用できること、お金がかからないこと、そして何よりも娯楽性があり、視聴者の学習意欲を高めることを挙げている。また、ビデオで言語を聞くことで、脳が刺激され、断片的な文章やよく使われる文型、単語を覚えることができるし、テレビや映画を定期的に見ることで、口語的な会話や口語表現ができるようになる。 また、言葉を学びながら、日本の文化もある程度は学べると言われる。
以上のことから、アニメーションから文化を学ぶことは可能である。 本研究では、『あたしンち』のアニメーションが日本文化を忠実に表現しているかどうかを確認するために、文化的に代表的な瞬間を検証する。

第3章 『あたしんち』の場面の分析
3.1 分析方法
筆者は、Youtubeで公開中の『あたしンち』の第1話から第269話までを対象に、日本文化の様々な要素を分析する。
日本文化のすべての要素を論じるのは難しいので、筆者は2.1と同じように6つの部分に分け、それぞれの小節ではアニメで紹介されている文化的要素を2つずつ取り上げることにした。

風俗習慣:

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第1話
14:39
みかんはクラスメートを家に連れて帰って遊ばせた。
3人は玄関に靴を整然と並べて置いた。
靴のつま先を外側に向けて入り口のドアに入れる

図3-1
図3-2
図3-3
アニメでは、主人公やクラスメイトが帰宅後、玄関に靴をきちんと置いている様子が描かれる。また、靴の置き方にもこだわりがあり、つま先を外側に向けて、2つの靴を合わせる。
玄関で靴のつま先を外側に向けて履くのは、戦国時代に武士の間で流行した茶道に由来する。 混沌とした時代に生まれた武士にとって、刀を持って入ることが許されない茶室は精神的な安らぎの空間だが、敵が来るとすぐにダッシュできるように、つま先を外に向けて靴を置くのだ。
現代日本にとってそれは遠い昔の話だが、この習慣は行儀の一つとして残される。
筆者は日本のホテルで実習していた時も実際こういうことを見た。客が宴会場に入るところに靴を脱がないといてない。
偶々客が靴を乱雑に置いていれば、職場の先輩は客の靴のつま先を外側向きに置いてあげる、ホテルのサービスの心遣いの一部ということ。筆者もそこでこういう言わなくてもわかる習慣に気づいた。

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第153話
11:11
みかんは学校が終わって帰るところ。
学校の上履き

図3-4
図3-5
図3-6
アニメを見ていると、日本の学校に入る時、室内用の上履きを履き替える必要があることに気がづける。 外履きを履いて、教室に土足で踏み入れることができる台湾とは違う。ここで、日本の「清潔」という概念が出てきる。
日本人にとって、きれいと汚いの境界線は、家の中と外なのだ。 土やほこりのついた靴は当然ながら不潔とされ、日本人は家に入る前に清潔な室内履に履き替える。

食習慣:

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第13話
9:55
主人公がクラスメイトと味噌汁の具材について話し合う様子
味噌汁の具材

図3-7
図3-8
図3-9
台湾にいた頃は、台湾の和食店ではほとんどの場合、味噌汁には豆腐と昆布が入っているのが当たり前だと思った。しかし、実習で実際に日本に行った時、日本人は味噌汁にいろいろな具材を入れていることがわかり、筆者の既成概念が崩れた。
アニメでは、主人公と同級生が家で作る味噌汁の具について話しているが、その中で、納豆、ジャガイモ、ナス、煮干し、豆の皮など、さまざまな組み合わせを挙げる。この点は、私が日本でのインターンシップで実際に経験したことと一致する。

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第202話
2:55
テーブルでディナーを食べる家族
餃子をご飯のおかずにする



図3-10


アニメを見てもわかるように、餃子はご飯のおかずとして食べられる。
台湾では餃子は主食ですが、日本ではおかずとして提供され、餃子だけを食べる人はいない。
ラーメンに餃子、餃子にご飯という組み合わせを日本料理店で見たことがあるし、コンビニでは焼きそばやパンもあり、日本では二重主食が一般的な分かる。

儀式(宗教):

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第41話
21:16
お母さんは水島さんとホワイトデーのチョコスタンドを見ている
ホワイトデーのお返し

図3-11
図3-12
図3-13
アニメを見ていると、バレンタインデーに男の子が女の子からチョコレートをもらったら、ホワイトデーに女の子にお返しをしなければならない。 (同じ内容は173話にも出た)。
バレンタインデーは多くの国で行われているが、お返しをする「ホワイトデー」は、実は日本の菓子メーカーが企画したイベントから始まった。
欧米では、バレンタインデーといえば、カップルや家族で花束やカードを贈り合ったり、男性が女性にプレゼントを贈ったりするのが一般的で、お返しをする習慣はない。
ホワイトデーを行う国は日本を除いてほとんどないが、最近の台湾や韓国でも行われるようになった。

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第227話
9:20
お父さんとお母さんは一緒に結婚披露宴に参加する。
日本の着物

図3-14
図3-15
図3-16
着物は日本の伝統的な衣装だが、着付けが複雑のため、現代の日本人はフォーマルな場や伝統的な祭りなど、特定の機会にしか着てない。
お正月、子供の健やかに育つを祈る七五三、冠婚葬祭、二十歳の誕生日に行われる成人式、卒業式などである。
アニメでは、お母さんも他の女性親族も黒い着物を着て結婚披露宴に参加している。
台湾の文化では、黒はお葬式を表し、不吉と象徴だが、日本の文化では、黒地は既婚女性のドレスの第一礼装であり、非常に厳粛な場に適す。

価値体系:風習、食習慣、社会的タブーなど、ここで取り上げる他のいくつかの要素をカバーしているため、ここでは特に取り上げず、他のサブセクションごとに別のカテゴリーとして取り上げる。

行動のパターン

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第10話
14:20
「納豆を食べるときは、同じ場所から注ぐこと!次に食べる人のことを考えてみてくれ。」とユズがみかんに言った
人に迷惑をかけないようにする

図3-17
図3-18
図3-19
日本人は人に迷惑をかけないように気を遣うものだが、これは筆者も日本での実習で経験した。例えば、公共交通機関では電話で話さない、バイブレーションに調整するのを忘れてうっかり鳴ってしまったら、当事者が同じ車両のボックスにいる人に謝罪する。
日本人の「人に迷惑をかけない」という精神は、こういった細かい部分にも表れる。
この価値観は、親が子に伝えるだけでなく、政府や文部科学省も真剣に受け止めており、日本の小学生向けの『社会生活教育』にも書かれる。

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第83話
12:50
お母さんが友達に遅刻について語る
時間厳守の価値観

図3-20
図3-21
図3-22
アニメを見ていると、遅刻して他の人を待たせてしまうことは、お母さんにとってとてもストレスになることだ。
しかし、筆者は「日本人は時間厳守だ」という考えに対して、異なる意見を持っている。日本人は時間厳守というよりも、「人に迷惑をかけない」という価値観が影響していると言える。
遅刻すると他人に迷惑をかけることになるので、他人に迷惑をかけないために、日本人は遅刻をしないようにしているのだ。

物質文明:

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第95話
9:33
テーブルで朝食を食べる家族
箸の配置

図 3-23
図 3-24
図 3-25
アニメを見てもわかるように、食事の前も後も、箸はお茶碗の上ではなく、必ずテーブルの上に平らに置きる。
台湾では箸を茶碗に平らに置くことが一般的だが、日本では箸の発音が橋の発音に似ていること、箸を茶碗に平らに置く行為が「三途の川を渡る橋」ことを連想させることから、絶対にやってはいけないことになる。

かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第75話
10:38
お父さんはお酒を飲んでお付き合いする。
お通し

図3-26
図3-27
図3-28
アニメでは、サラリーマンが仕事終わりに居酒屋に飲みに行くシーンが描かれるが、テーブルの上には小皿に入ったお通しが置かれる。
お客さまをお迎えして席にご案内することを「お通しする」といい、これが「お通し」の語源になったといわれる。
レストランで食事をすると、お客様が注文してから料理が出てくるまでに待ち時間があり、日本では酒を先に出す習慣があるので、この待ち時間にお客様が先に飲むのだ、「お通し」は待ち時間のための前菜であり、お客様のために生まれたお店の文化だ。
このような詳細を見ると、日本の「もてなし」の心が込められる。ここで注意したいのは、「お通し」は無料ではなく、チェックアウト時の価格に含まれており、基本料金の一部となる。

3.2 まとめ
アニメ『あたしンち』を見て、日本の様々な文化的要素を様々な角度から分析した結果、筆者は、アニメは日本文化を忠実に反映しており、海外の視聴者は楽しみながら日本文化の印象を深めることができる、という結論に達した。

第4章 結論
4.1 まとめ
本論文は、まず第1章で、本研究の動機と目的、研究方法、内容構成を説明する。
第2章の第1部では、文化の構成要素として、習慣、食習慣、社会的タブー、宗教、価値体系、行動様式、道徳規範、物質文明などが明確に定義されており、これらはその後のアニメで紹介される文化の分析項目として用いられる。第2部では、台湾における日本アニメの受容状況を調べ、文献を参照することで、台湾で日本アニメの受容は高いだけでなく、読者の行動や思考に大きな影響を与えていることが確認された。第3部では、日本のアニメと日本文化の関係について論じているが、多くの文献から、日本文化はアニメ作品に組み込まれており、アニメから文化を学ぶことは可能であるという結論が導き出される。
第3章ではまず、日本のアニメでおなじみの『あたしンち』を例に、日常生活における日本文化の分析を行いる。 第1部では、日本人の品行方正さや清潔観念について、第2部では、台湾とは異なる食生活について、第3部では、祭りや祝い事の際の日本人の習慣について、第4部ではもう第2章の第1部で説明する、第5部では、他人に迷惑をかけないという日本人の精神について、第6部では、日本の「おもてなし」の精神や外国人が気をつけるべき常識について、それぞれ紹介する。

4.2 今後の課題

この記事では、『あたしンち』のアニメを議論のテーマとし、議論の内容は文化的構成のパーツを列挙する多面的なものとなる。 しかし、注目すべき点が多すぎる。 実際、『あたしンち』のアニメは280話以上もあり、今回紹介した部分以外にもたくさんの魅力がある。 例えば、食事のおかわりの際に一口分のご飯をお椀に残すのは、ホストに恥をかかせないための日本人の思いやりのある行動ですし、日本人の人の心を読む力、清潔感の概念、集団で協力する精神...これらの文化的特徴は、今後も深く掘り下げていく価値がある。
これらのエピソードでは、特に女性である作者が、「母」と「立花みかん」という2人の女性キャラクターと、彼らが象徴する文化や思想を描いていることがわかる。 この2人のキャラクターは2つの異なる時代の女性を象徴しており、劇中のほとんどのプロットはこの2人を中心に展開され、日常生活の中での様々な事柄に対するスタンスや見解が描かれる。だからこそ、『あたしンち』では、主婦の家族への献身や、時代ごとの女性の価値観が描かれるのだ。 見ているだけでも多くのことが学べる。
しかし、家族、食べ物、文化的規範など、数え切れないほどの現れをまとめているにもかかわらず、対照的に『あたしンち』は「父」というキャラクターを描くことに乏しく、ドラマ全体のシーンのほとんどは、父親の仕事後の生活を描く。この点を研究しようとすると、分析対象として他の作品を選ぶ必要があるかもしれませんが、今後、『あたしンち』で日本の文化を学ぼうとする人が出てきたときには、この点を考慮に入れなければならない。
#1 あやみ [FjgSIEc]
(Native)
目錄
第1章 序論
1.
1 研究動機及び目的
1.
2 本研究の構成
第2章 先行研究
2.
1 文化の定義と構成要素
2.
2 台湾で日本アニメの受容
2.
3 日本アニメと日本文化の関連性
第3章 『あたしんち』の場面の分析
3.
1 分析方法
3.
1.
1 風俗習慣
3.
1.
2 食習慣
3.
1.
3 儀式(宗教)
3.
1.
4 価値体系
3.
1.
5 行動のパターン
3.
1.
6 物質文明
3.
2 まとめ
第4章 結論1
4.
1 まとめ
4.
2 今後の課題
参考文献
第1章 序論
1.1 研究動機及び目的
子供の頃、台湾のテレビで『SLAM DUNK/スラムダンク』、『ONE PIECE/ワンピース』、『ドラえもん』、『あたしンち』など様々なアニメに触れることができる。
日本のアニメは日本国内だけでなく、海外でもかなりの人気を誇っている。
筆者が大学で日本語を学ぶことを選んだきっかけは、アニメに触れたことによって日本語を学ぶことに興味を持ったからだ。
筆者の大学で、日本のアニメやドラマを教材として授業で利用し、日本語の発音、語彙、用法などを教える「日本影視」という授業がある。
この授業で筆者は、日本のアニメが色々な日本文化を示せること気づいた。
例えば、間違った質問は先生から赤ペンで解答用紙にチェックをつけ、正解には赤ペンで丸印をつけるとアニメの内容で見え動作が、描写されている。
これは、台湾とは全く異なる試験問題の添削方法だ。
台湾では、赤のチェックマークが正解に相当し、間違った問題には赤の丸印やバツが付けられる。
窪田守弘(2007)は、著書『日本文化の学習としての映画』の中で、様々な時代の様々なタイプの日本映画には、その時代の日本人の存在様式や考え方の違いが表れていると指摘している。
つまり、映画によって学べる文化が違うということで、この本で紹介されている日本映画には、日本のアニメーションも含まれている。
このような観点と上の例から、筆者は、日本のアニメや漫画は視聴者が楽しむためだけではなく、海外の視聴者が学ぶために自国の文化を伝える目的もあると考えている。
台湾の親が考えるような、は「アニメを見ることはゲームをすると同じく、時間の無駄であり、人生の役に立たないものだと違うと筆者は考えている。」という考えに、筆者は別の視点を持っている。(or筆者は異論を唱えたい。)
海外の視聴者が日本のアニメに触れることで、日本文化に対する理解が深まる可能性もある。
表面だけを見て、中身を理解していないと、間違った模倣や間違った認識をしてしまう可能性が高く、それも非常に残念なことである。
したがって、本研究の目的は二つある。
まず、日本のアニメ・マンガ作品に含まれる文化的要素を特定・分析し、日本文化の常識とその意図を論じ、読者が本論文を通じてアニメ・マンガに含まれる文化的精神を正しく認識できるようにすることである。
2つ目は、日本のアニメ・マンガ作品が単なる娯楽ではなく、文化教育の場でもあることを、データ収集と比較を通じて示すことだ。
1.2 本研究の構成
本研究の構成は、以下のようである。
一、先行研究について述べる。
二、アニメからいくつかの場面を取り上げて分類し、分析する。
しかし、日本は、アニメ作品の数が多いため、分析の対象としてどのアニメ作品を選んだことも対象とするかも、特に重要だ。
分析対象となる作品の知名度が低いと、読者が本研究の内容に共感できない可能性がある。
ですから、そのため、(ですからは対話用語で用いることが多いため、文章だと多少の違和感を感じる)注目度の高い作品を選んで分析したいと考えている。
だが、『SLAM DUNK/スラムダンク』、『ONE PIECE/ワンピース』、『ドラえもん』、『あたしンち』など有名なアニメはたくさん過ぎる多い
作品選びに迷っていたところ、『從日本動畫學習日本文化 ─以【鋼彈】系列為例─』と『由日本動畫習得日語及日本文化之研究─以《銀魂》為例─』という2つの論文が目に留まった。
前者は「ガンダム」シリーズを通して戦争の視点から日本文化を分析し、後者アニメ「ぎんたま銀魂」を通して時事的な視点から日本文化を分析している。
この2つ比べて、現在の日本の生活習慣の観点から日本文化を分析してみたいと筆者は考えている。
最終的に本研究では、数あるアニメ作品の中から『あたしンち』を分析対象として選んだ。
理由は以下:
日常生活に密着した題材であること
『あたしンち』の主軸は、家族の日常生活をめぐって、スポーツを題材にした『SLAM DUNK/スラムダンク』やセミフィクションの『ドラえもん』、さらにはフィクションの『ONE PIECE/ワンピース』よりも日本の日常生活や些細なことが見せることができる、それが筆者がこの作品を分析対象に選んだ理由の一つである。
知名度が高い
漫画『あたしンち』は、1996年に文芸春秋漫画賞、2002年に手塚治虫文化賞を受賞。
テレビアニメ版は2002年4月から2009年9月までテレビ朝日系で放送され、「ドラえもん」や「ちび丸子ちゃん」などの人気アニメを上回る14.7の視聴率を記録した。
その人気の高さから、2005年には台湾のテレビで放送されることが始また。
台湾では、2007年から2008年にかけてPTTのオンライン投票で『あたしンち』が人気アニメベストテンの1位に選ばれた。
2010年の母の日を前に、高雄市議会議員の鄭光峰は、高雄市内の小中学生1,058人を対象に『母の日アンケート』を実施した。
その結果、自分の母親がアニメ『あたしンち』の『お母ちゃん』のようだと思う人は22%で、1位となった。
10年の時を経て、2020年の母の日の週末にバハムートGNNが実施した『母の日投票』では、台湾のネットユーザーが実在の母親に似ていると投票し、1位はやはり『あたしンち』の『お母ちゃん』となった。
このアニメの人気の高さがうかがえる、日本だけでなく台湾でもよく知られており、2016年1月22日から4月10日まで国立中正紀念堂で展示されることもできた。
理由は以上で、本研究では、アニメ『あたしンち』からいくつかの場面を取り上げて分類し、分析する。
第2章 序論
2.1 文化の定義と構成要素
蕭富峰(2008)は、『消費者行為』の中で、文化とは、社会の構成員が共有するライフスタイルや行動の枠組みであると定義できる。
そして、家族、教育、宗教、政府、企業家などの社会的機関によって伝えられるものと述べた。
蕭富峰は、文化は消費者の行動に広く大きな影響を与えると考えており、さらに文化の構成要素として、習慣、食習慣、社会的タブー、宗教、価値体系、行動パターン、道徳規範、物質文明などを挙げ、以下のように説明した。
(1)風俗習慣:慣習や伝統を含む
a.慣習:過去から引き継がれた、人々の基本的な行動を規定する規範のこと。
例えば、冠婚葬祭など。
b.道徳的規範/社会的タブー:強い道徳的意味合いを持つ慣習で、通常は社会的タブーや禁止された行動を含む。
例えば、イスラム教の国では、女性はヘッドスカーフの着用が義務付けられている。
c.伝統:日常生活における行動のルールを指す。
例えば、家の飾り方や服の着方など。
(2)食習慣:人々の食習慣はその土地の文化に影響され、主食や食事のパターンが異なる。
例えば、台湾人は米や麺を主食とし、ナイフやフォークではなく、箸で食事をする。
(3)儀式(宗教):文化的に象徴的な一連の行為で、複数のステップを含み、一定の順序で行われ、通常は一定の間隔で繰り返されるもの。
例えば、宗教的な儀式(台湾各地の媽祖巡行)、変化の儀式(卒業式、結婚式)、文化的な儀式(バレンタインデー)...
など。
(4)価値体系:先ほどは他の要素と一緒に述べたが、その後の議論では、いくつかの文化的要素からなる大きなカテゴリーと考えられ、ここで取り上げた他の要素、例えば、習慣や民俗、食習慣、社会的なタブーなどをカバーするので、ここでは特に取り上げず、それぞれの細分化された要素の下で個別に議論する。
そのため、ここでは独立したカテゴリーとしてではなく、サブカテゴリーとして取り上げる。
(5)行動のパターン:時間と空間を含む
a.
時間:違う文化体系の中で、時間の速さや貴重さの解釈が違う。
時間の配分の仕方の哲学もそれぞれ違って、時間厳守の習慣や重視の程度も異なる。
例えば、忙しい工業・商業社会では、「時は金なり」と言われ、時間は貴重な財産であり、時間を短縮し、利便性を高める製品やサービスは歓迎される。
b.
空間:違う文化体系の中で、人々は空間に対して異なる意味を与える。
パーソナルスペースの定義も異なる。
例えば、中国では男性がフックアップするのは問題ありませんが、アメリカでそれをすると、性的指向があると疑われる可能性がある。
(6)物質文明:それぞれの文化体系は、特定のオブジェクトに異なる意味を与える。
例えば、中国語を使用している国では、時計などの贈り物は「人の死を見届ける」というマイナスイメージがあるため、避けた方が良いとされる。
台湾で日本アニメの受容
Rubin(1998)は、人はまず自分に影響を与える可能性のあるメッセージを選択し、注意を払うようになり、メッセージが読者の反応に影響を与えることができるような関心を生むと述べている。
人々はメディアメッセージのさまざまな側面に注意を払うので、読者がそれらのコンテンツに注意を払うと、メディアコンテンツの影響を受ける可能性が高くなる。
蘇蘅、陳雪雲(2000)が行った調査では、台北の若者がよく見る番組の種類、つまり若者が海外の番組を好んで見る理由を分析する。
下の表(図2.1)に示すように、台湾の若者が見ている海外番組の種類は、日本のアニメとマンガが最も多く、その割合は日本のドラマよりもはるかに高い。
林瑞端(1991)の『媒介、消費與認同:台灣青少年收看日本偶像劇之效果研究』によると、ティーンエイジャーの日本のアイドルドラマへの関与と、日本のドラマに関連する商品の購入頻度、支出、日本文化への帰属意識との間には、有意な正の相関関係があった。
最も相関性が高かったのは「人気商品・アクセサリー」で、次いで「日本の文化・習慣・祭り」、「ライフスタイル(飲食・娯楽)」であった。
以上のことから、台湾では日本のドラマよりもはるかに高い視聴率を誇る日本のアニメが、同等、あるいはそれ以上のインパクトを与えていたはずだと推察される。
詹國新(2002)は小学生が日本のアニメ番組を視聴し、関連商品を購入する状況を調査した。
各学校のサンプル数は以下の表の通ったりだ
(図2.2)調査では、被験者のほとんどが日本のテレビアニメを好んで見ており、毎日長時間アニメに触れているため、アニメの影響を受けやすいことがわかった。
彼らの両親は子どものアニメ視聴にほとんど制限をかけず、視聴するアニメの種類や時間にもあまり干渉しなかったため、子どもたちのアニメ視聴の自主性は比較的高かった。
以上のことから、台湾で日本アニメの受容は高いだけでなく、読者の行動や思考に大きな影響を与えていることがわかる。
2.1 日本アニメと日本文化の関連性
アニメーションの制作過程では、作家や原作者の考えが、その国の思想や文化をその時代背景に合わせて最終的な作品に反映されることが多く、過去にも多くの専門家や学者が同様の概念を異なる視点から指摘する。
大川英明(2006)は、『映画における文化要素と日本語教育』の中で、映画やテレビ作品には、語彙、文法、文型など、日本語教育における基本的な学習項目のほとんどが含まれており、また、日本の社会や文化の紹介や議論に関わる内容も含まれていると指摘する。
大川英明が映画「Shall we ダンス?
例として、文化的要素を抽象的なものと具象的なものに分け、具象的な食べ物、道具、家...
などと、抽象的なシステム、習慣、関係...
などに細分化する。
また、映画の中では、言葉で直接表現されているものもあれば、言葉は直接出てこないものの、映画の背景として描かれているものもあると指摘する。
後者は、映画のストーリーや内容に直接、重要な意味を持つものではありませんが、日本の文化を紹介するのに役立つものだ。
窪田守弘(2007)は、様々な時代の様々なタイプの日本映画には、その時代の日本人の存在様式や考え方の違いが表れていると指摘する。
つまり、映画によって学べる文化が違うということで、この本で紹介されている日本映画には、日本のアニメーションも含まれる。
李敏綺(2009)によれば、日本のアニメは、日本のドラマのように大衆文化と融合し、社会現象を反映しており、外国の視聴者にとっては、アニメを楽しみながら日本の文化を見ることができる。
岡崎正道(1993)は、著書『ドラマ·漫画による日本語教育』の中で、映画やマンガを日本語学習の媒体として利用することの利点として、手軽に利用できること、お金がかからないこと、そして何よりも娯楽性があり、視聴者の学習意欲を高めることを挙げている。
また、ビデオで言語を聞くことで、脳が刺激され、断片的な文章やよく使われる文型、単語を覚えることができるし、テレビや映画を定期的に見ることで、口語的な会話や口語表現ができるようになる。
また、言葉を学びながら、日本の文化もある程度は学べると言われる。
以上のことから、アニメーションから文化を学ぶことは可能である。
本研究では、『あたしンち』のアニメーションが日本文化を忠実に表現しているかどうかを確認するために、文化的に代表的な瞬間を検証する。
第3章 『あたしんち』の場面の分析
3.1 分析方法
筆者は、Youtubeで公開中の『あたしンち』の第1話から第269話までを対象に、日本文化の様々な要素を分析する。
日本文化のすべての要素を論じるのは難しいので、筆者は2.1と同じように6つの部分に分け、それぞれの小節ではアニメで紹介されている文化的要素を2つずつ取り上げることにした。
風俗習慣:
かいすう回数
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第1話
14:39
みかんはクラスメートを家に連れて帰って遊ばせた。
3人は玄関に靴を整然と並べて置いた。
靴のつま先を外側に向けて入り口のドアに入れる
図3-1
図3-2
図3-3
アニメでは、主人公やクラスメイトが帰宅後、玄関に靴をきちんと置いている様子が描かれる。
また、靴の置き方にもこだわりがあり、つま先を外側に向けて、2つの靴を合わせる。
玄関で靴のつま先を外側に向けて履くのは、戦国時代に武士の間で流行した茶道に由来する。
混沌とした時代に生まれた武士にとって、刀を持って入ることが許されない茶室は精神的な安らぎの空間だが、敵が来るとすぐにダッシュできるように、つま先を外に向けて靴を置くのだ。
現代日本にとってそれは遠い昔の話だが、この習慣は行儀の一つとして残される。
筆者日本のホテルで実習していた時も実際こういうこと場面を見た。
客が宴会場に入るところに時に、靴を脱がないといない。
偶々客が靴を乱雑に置いていれば、職場の先輩は客の靴のつま先を外側向きに置いてあげる、ホテルのサービスの心遣いの一部ということ。
筆者もそこでこういった、言わなくてもわかる習慣に気づいた。
かいすう回数
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第153話
11:11
みかんは学校が終わって帰るところ。
学校の上履き
図3-4
図3-5
図3-6
アニメを見ていると、日本の学校に入る時、室内用の上履きを履き替える必要があることに気がける。
外履きを履いて、教室に土足で踏み入れることができる台湾とは違う。
ここで、日本の「清潔」という概念が出てる。
日本人にとって、きれいと汚いの境界線は、家の中と外なのだ。
土やほこりのついた靴は当然ながら不潔とされ、日本人は家に入る前に清潔な室内履に履き替える。
食習慣:
かいすう回数
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第13話
9:55
主人公がクラスメイトと味噌汁の具材について話し合う様子
味噌汁の具材
図3-7
図3-8
図3-9
台湾にいた頃は、台湾の和食店ではほとんどの場合、味噌汁には豆腐と昆布が入っているのが当たり前だと思った。
しかし、実習で実際に日本に行った時、日本人は味噌汁にいろいろな具材を入れていることがわかり、筆者の既成概念が崩れた。
アニメでは、主人公と同級生が家で作る味噌汁の具について話しているが、その中で、納豆、ジャガイモ、ナス、煮干し、豆の皮など、さまざまな組み合わせを挙げる。
この点は、私が日本でのインターンシップで実際に経験したことと一致する。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第202話
2:55
テーブルでディナーを食べる家族
餃子をご飯のおかずにする
図3-10
アニメを見てもわかるように、餃子はご飯のおかずとして食べられる。
台湾では餃子は主食ですが、日本ではおかずとして提供され、餃子だけを食べる人はいない。
ラーメンに餃子、餃子にご飯という組み合わせを日本料理店で見たことがあるし、コンビニでは焼きそばやパンもあり、日本では二重主食が一般的な分かる。
儀式(宗教):
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第41話
21:16
お母さんは水島さんとホワイトデーのチョコスタンドを見ている
ホワイトデーのお返し
図3-11
図3-12
図3-13
アニメを見ていると、バレンタインデーに男の子が女の子からチョコレートをもらったら、ホワイトデーに女の子にお返しをしなければならない。
(同じ内容は173話にも出た)。
バレンタインデーは多くの国で行われているが、お返しをする「ホワイトデー」は、実は日本の菓子メーカーが企画したイベントから始まった。
欧米では、バレンタインデーといえば、カップルや家族で花束やカードを贈り合ったり、男性が女性にプレゼントを贈ったりするのが一般的で、お返しをする習慣はない。
ホワイトデーを行う国は日本を除いてほとんどないが、最近の台湾や韓国でも行われるようになった。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第227話
9:20
お父さんとお母さんは一緒に結婚披露宴に参加する。
日本の着物
図3-14
図3-15
図3-16
着物は日本の伝統的な衣装だが、着付けが複雑のため、現代の日本人はフォーマルな場や伝統的な祭りなど、特定の機会にしか着てない。
お正月、子供の健やかに育つを祈る七五三、冠婚葬祭、二十歳の誕生日に行われる成人式、卒業式などである。
アニメでは、お母さんも他の女性親族も黒い着物を着て結婚披露宴に参加している。
台湾の文化では、黒はお葬式を表し、不吉と象徴だが、日本の文化では、黒地は既婚女性のドレスの第一礼装であり、非常に厳粛な場に適す。
価値体系:風習、食習慣、社会的タブーなど、ここで取り上げる他のいくつかの要素をカバーしているため、ここでは特に取り上げず、他のサブセクションごとに別のカテゴリーとして取り上げる。
行動のパターン
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第10話
14:20
「納豆を食べるときは、同じ場所から注ぐこと!
次に食べる人のことを考えてみてくれ。」とユズがみかんに言った
人に迷惑をかけないようにする
図3-17
図3-18
図3-19
日本人は人に迷惑をかけないように気を遣うものだが、これは筆者も日本での実習で経験した。
例えば、公共交通機関では電話で話さない、バイブレーションに調整するのを忘れてうっかり鳴ってしまったら、当事者が同じ車両のボックスにいる人に謝罪する。
日本人の「人に迷惑をかけない」という精神は、こういった細かい部分にも表れる。
この価値観は、親が子に伝えるだけでなく、政府や文部科学省も真剣に受け止めており、日本の小学生向けの『社会生活教育』にも書かれる。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第83話
12:50
お母さんが友達に遅刻について語る
時間厳守の価値観
図3-20
図3-21
図3-22
アニメを見ていると、遅刻して他の人を待たせてしまうことは、お母さんにとってとてもストレスになることだ。
しかし、筆者は「日本人は時間厳守だ」という考えに対して、異なる意見を持っている。
日本人は時間厳守というよりも、「人に迷惑をかけない」という価値観が影響していると言える。
遅刻すると他人に迷惑をかけることになるので、他人に迷惑をかけないために、日本人は遅刻をしないようにしているのだ。
物質文明:
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第95話
9:33
テーブルで朝食を食べる家族
箸の配置
図 3-23
図 3-24
図 3-25
アニメを見てもわかるように、食事の前も後も、箸はお茶碗の上ではなく、必ずテーブルの上に平らに置きる。
台湾では箸を茶碗に平らに置くことが一般的だが、日本では箸の発音が橋の発音に似ていること、箸を茶碗に平らに置く行為が「三途の川を渡る橋」ことを連想させることから、絶対にやってはいけないことになる。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第75話
10:38
お父さんはお酒を飲んでお付き合いする。
お通し
図3-26
図3-27
図3-28
アニメでは、サラリーマンが仕事終わりに居酒屋に飲みに行くシーンが描かれるが、テーブルの上には小皿に入ったお通しが置かれる。
お客さまをお迎えして席にご案内することを「お通しする」といい、これが「お通し」の語源になったといわれる。
レストランで食事をすると、お客様が注文してから料理が出てくるまでに待ち時間があり、日本では酒を先に出す習慣があるので、この待ち時間にお客様が先に飲むのだ、「お通し」は待ち時間のための前菜であり、お客様のために生まれたお店の文化だ。
このような詳細を見ると、日本の「もてなし」の心が込められる。
ここで注意したいのは、「お通し」は無料ではなく、チェックアウト時の価格に含まれており、基本料金の一部となる。
3.2 まとめ
アニメ『あたしンち』を見て、日本の様々な文化的要素を様々な角度から分析した結果、筆者は、アニメは日本文化を忠実に反映しており、海外の視聴者は楽しみながら日本文化の印象を深めることができる、という結論に達した。
第4章 結論
4.1 まとめ
本論文は、まず第1章で、本研究の動機と目的、研究方法、内容構成を説明する。
第2章の第1部では、文化の構成要素として、習慣、食習慣、社会的タブー、宗教、価値体系、行動様式、道徳規範、物質文明などが明確に定義されており、これらはその後のアニメで紹介される文化の分析項目として用いられる。
第2部では、台湾における日本アニメの受容状況を調べ、文献を参照することで、台湾で日本アニメの受容は高いだけでなく、読者の行動や思考に大きな影響を与えていることが確認された。
第3部では、日本のアニメと日本文化の関係について論じているが、多くの文献から、日本文化はアニメ作品に組み込まれており、アニメから文化を学ぶことは可能であるという結論が導き出される。
第3章ではまず、日本のアニメでおなじみの『あたしンち』を例に、日常生活における日本文化の分析を行いる。
第1部では、日本人の品行方正さや清潔観念について、第2部では、台湾とは異なる食生活について、第3部では、祭りや祝い事の際の日本人の習慣について、第4部ではもう第2章の第1部で説明する、第5部では、他人に迷惑をかけないという日本人の精神について、第6部では、日本の「おもてなし」の精神や外国人が気をつけるべき常識について、それぞれ紹介する。
4.2 今後の課題
この記事では、『あたしンち』のアニメを議論のテーマとし、議論の内容は文化的構成のパーツを列挙する多面的なものとなる。
しかし、注目すべき点が多すぎる。
実際、『あたしンち』のアニメは280話以上もあり、今回紹介した部分以外にもたくさんの魅力がある。
例えば、食事のおかわりの際に一口分のご飯をお椀に残すのは、ホストに恥をかかせないための日本人の思いやりのある行動ですし、日本人の人の心を読む力、清潔感の概念、集団で協力する精神...
これらの文化的特徴は、今後も深く掘り下げていく価値がある。
これらのエピソードでは、特に女性である作者が、「母」と「立花みかん」という2人の女性キャラクターと、彼らが象徴する文化や思想を描いていることがわかる。
この2人のキャラクターは2つの異なる時代の女性を象徴しており、劇中のほとんどのプロットはこの2人を中心に展開され、日常生活の中での様々な事柄に対するスタンスや見解が描かれる。
だからこそ、『あたしンち』では、主婦の家族への献身や、時代ごとの女性の価値観が描かれるのだ。
見ているだけでも多くのことが学べる。
しかし、家族、食べ物、文化的規範など、数え切れないほどの現れをまとめているにもかかわらず、対照的に『あたしンち』は「父」というキャラクターを描くことに乏しく、ドラマ全体のシーンのほとんどは、父親の仕事後の生活を描く。
この点を研究しようとすると、分析対象として他の作品を選ぶ必要があるかもしれませんが、今後、『あたしンち』で日本の文化を学ぼうとする人が出てきたときには、この点を考慮に入れなければならない。
Corrected No problem
途中までです。
残りはまた追記します。
01 Apr 2021 (UTC)
#2 あやみ [FjgSIEc]
(Native)
目錄
第1章 序論
1.
1 研究動機及び目的
1.
2 本研究の構成
第2章 先行研究
2.
1 文化の定義と構成要素
2.
2 台湾で日本アニメの受容
2.
3 日本アニメと日本文化の関連性
第3章 『あたしんち』の場面の分析
3.
1 分析方法
3.
1.
1 風俗習慣
3.
1.
2 食習慣
3.
1.
3 儀式(宗教)
3.
1.
4 価値体系
3.
1.
5 行動のパターン
3.
1.
6 物質文明
3.
2 まとめ
第4章 結論1
4.
1 まとめ
4.
2 今後の課題
参考文献
第1章 序論
1.1 研究動機及び目的
子供の頃、台湾のテレビで『SLAM DUNK/スラムダンク』、『ONE PIECE/ワンピース』、『ドラえもん』、『あたしンち』など様々なアニメに触れることができる。
日本のアニメは日本国内だけでなく、海外でもかなりの人気を誇っている。
筆者が大学で日本語を学ぶことを選んだきっかけは、アニメに触れたことによって日本語を学ぶことに興味を持つからだ。
筆者の大学で、日本のアニメやドラマを教材として授業で利用し、日本語の発音、語彙、用法などを教える「日本影視」という授業がある。
この授業で筆者は、日本のアニメが色々な日本文化を示せることを気づいた。
例えば、間違った質問は先生から赤ペンで解答用紙にチェックをつける、正解には赤ペンで丸印をつけるとアニメの内容で見える。
これは、台湾とは全く異なる試験問題の添削方法だ。
台湾では、赤のチェックマークが正解に相当し、間違った問題には赤の丸印やバツが付けられる。
窪田守弘(2007)は、著書『日本文化の学習としての映画』の中で、様々な時代の様々なタイプの日本映画には、その時代の日本人の存在様式や考え方の違いが表れていると指摘している。
つまり、映画によって学べる文化が違うということで、この本で紹介されている日本映画には、日本のアニメーションも含まれている。
このような観点と上の例から、筆者は、日本のアニメや漫画は視聴者が楽しむためだけではなく、海外の視聴者が学ぶために自国の文化を伝える目的もあると考えている。
台湾の親が考えるような、アニメを見ることはゲームをすると同じく、時間の無駄であり、人生の役に立たないものだと違うと筆者は考えている。
海外の視聴者が日本のアニメに触れることで、日本文化に対する理解が深まる可能性もある。
表面だけを見て、中身を理解していないと、間違った模倣や間違った認識をしてしまう可能性が高く、それも非常に残念なことである。
したがって、本研究の目的は二つある。
まず、日本のアニメ・マンガ作品に含まれる文化的要素を特定・分析し、日本文化の常識とその意図を論じ、読者が本論文を通じてアニメ・マンガに含まれる文化的精神を正しく認識できるようにすることである。
2つ目は、日本のアニメ・マンガ作品が単なる娯楽ではなく、文化教育の場でもあることを、データ収集と比較を通じて示すことだ。
1.2 本研究の構成
本研究の構成は、以下のようである。
一、先行研究について述べる。
二、アニメからいくつかの場面を取り上げて分類し、分析する。
しかし、日本のアニメ作品の数が多い、分析の対象としてアニメ作品を選んだことも特に重要だ。
分析対象となる作品の知名度が低いと、読者が本研究の内容に共感できない可能性がある。
ですから、注目度の高い作品を選んで分析したいと考えている。
だが、『SLAM DUNK/スラムダンク』、『ONE PIECE/ワンピース』、『ドラえもん』、『あたしンち』など有名なアニメはたくさん過ぎる。
作品選びに迷っていたところ、『從日本動畫學習日本文化 ─以【鋼彈】系列為例─』と『由日本動畫習得日語及日本文化之研究─以《銀魂》為例─』という2つの論文が目に留まった。
前者は「ガンダム」シリーズを通して戦争の視点から日本文化を分析し、後者アニメ「ぎんたま」を通して時事的な視点から日本文化を分析している。
この2つに比べて、現在の日本の生活習慣の観点から日本文化を分析してみたいと筆者は考えている。
最終的に本研究では、数あるアニメ作品の中から『あたしンち』を分析対象として選んだ。
理由は以下:
日常生活に密着した題材であること
『あたしンち』の主軸は、家族の日常生活をめぐって、スポーツを題材にした『SLAM DUNK/スラムダンク』やセミフィクションの『ドラえもん』、さらにはフィクションの『ONE PIECE/ワンピース』よりも日本の日常生活や些細なことが見せることができる、それが筆者がこの作品を分析対象に選んだ理由の一つである。
知名度が高い
漫画『あたしンち』は、1996年に文芸春秋漫画賞、2002年に手塚治虫文化賞を受賞。
テレビアニメ版は2002年4月から2009年9月までテレビ朝日系で放送され、「ドラえもん」や「ちび丸子ちゃん」などの人気アニメを上回る14.7の視聴率を記録した。
その人気の高さから、2005年には台湾のテレビで放送されることが始また。
台湾では、2007年から2008年にかけてPTTのオンライン投票で『あたしンち』が人気アニメベストテンの1位に選ばれた。
2010年の母の日を前に、高雄市議会議員の鄭光峰は、高雄市内の小中学生1,058人を対象に『母の日アンケート』を実施した。
その結果、自分の母親がアニメ『あたしンち』の『お母ちゃん』のようだと思う人は22%で、1位となった。
10年の時を経て、2020年の母の日の週末にバハムートGNNが実施した『母の日投票』では、台湾のネットユーザーが実在の母親に似ていると投票し、1位はやはり『あたしンち』の『お母ちゃん』となった。
このアニメの人気の高さがうかがえる、日本だけでなく台湾でもよく知られており、2016年1月22日から4月10日まで国立中正紀念堂で展示されることもできた。
理由は以上で、本研究では、アニメ『あたしンち』からいくつかの場面を取り上げて分類し、分析する。
第2章 序論
2.1 文化の定義と構成要素
蕭富峰(2008)は、『消費者行為』の中で、文化とは、社会の構成員が共有するライフスタイルや行動の枠組みであると定義できる。
そして、家族、教育、宗教、政府、企業家などの社会的機関によって伝えられるものと述べた。
蕭富峰は、文化は消費者の行動に広く大きな影響を与えると考えており、さらに文化の構成要素として、習慣、食習慣、社会的タブー、宗教、価値体系、行動パターン、道徳規範、物質文明などを挙げ、以下のように説明した。
(1)風俗習慣:慣習や伝統を含む
a.慣習:過去から引き継がれた、人々の基本的な行動を規定する規範のこと。
例えば、冠婚葬祭など。
b.道徳的規範/社会的タブー:強い道徳的意味合いを持つ慣習で、通常は社会的タブーや禁止された行動を含む。
例えば、イスラム教の国では、女性はヘッドスカーフの着用が義務付けられている。
c.伝統:日常生活における行動のルールを指す。
例えば、家の飾り方や服の着方など。
(2)食習慣:人々の食習慣はその土地の文化に影響され、主食や食事のパターンが異なる。
例えば、台湾人は米や麺を主食とし、ナイフやフォークではなく、箸で食事をする。
(3)儀式(宗教):文化的に象徴的な一連の行為で、複数のステップを含み、一定の順序で行われ、通常は一定の間隔で繰り返されるもの。
例えば、宗教的な儀式(台湾各地の媽祖巡行)、変化の儀式(卒業式、結婚式)、文化的な儀式(バレンタインデー)...
など。
(4)価値体系:先ほどは他の要素と一緒に述べたが、その後の議論では、いくつかの文化的要素からなる大きなカテゴリーと考えられ、ここで取り上げた他の要素、例えば、習慣や民俗、食習慣、社会的なタブーなどをカバーするので、ここでは特に取り上げず、それぞれの細分化された要素の下で個別に議論する。
そのため、ここでは独立したカテゴリーとしてではなく、サブカテゴリーとして取り上げる。
(5)行動のパターン:時間と空間を含む
a.
時間:違う文化体系の中で、時間の速さや貴重さの解釈が違う。
時間の配分の仕方の哲学もそれぞれ違って、時間厳守の習慣や重視の程度も異なる。
例えば、忙しい工業・商業社会では、「時は金なり」と言われ、時間は貴重な財産であり、時間を短縮し、利便性を高める製品やサービスは歓迎される。
b.
空間:違う文化体系の中で、人々は空間に対して異なる意味を与える。
パーソナルスペースの定義も異なる。
例えば、中国では男性がフックアップするのは問題ありませんが、アメリカでそれをすると、性的指向があると疑われる可能性がある。
(6)物質文明:それぞれの文化体系は、特定のオブジェクトに異なる意味を与える。
例えば、中国語を使用している国では、時計などの贈り物は「人の死を見届ける」というマイナスイメージがあるため、避けた方が良いとされる。
台湾で日本アニメの受容
Rubin(1998)は、人はまず自分に影響を与える可能性のあるメッセージを選択し、注意を払うようになり、メッセージが読者の反応に影響を与えることができるような関心を生むと述べている。
人々はメディアメッセージのさまざまな側面に注意を払うので、読者がそれらのコンテンツに注意を払うと、メディアコンテンツの影響を受ける可能性が高くなる。
蘇蘅、陳雪雲(2000)が行った調査では、台北の若者がよく見る番組の種類、つまり若者が海外の番組を好んで見る理由を分析する。
下の表(図2.1)に示すように、台湾の若者が見ている海外番組の種類は、日本のアニメとマンガが最も多く、その割合は日本のドラマよりもはるかに高い。
林瑞端(1991)の『媒介、消費與認同:台灣青少年收看日本偶像劇之效果研究』によると、ティーンエイジャーの日本のアイドルドラマへの関与と、日本のドラマに関連する商品の購入頻度、支出、日本文化への帰属意識との間には、有意な正の相関関係があった。
最も相関性が高かったのは「人気商品・アクセサリー」で、次いで「日本の文化・習慣・祭り」、「ライフスタイル(飲食・娯楽)」であった。
以上のことから、台湾では日本のドラマよりもはるかに高い視聴率を誇る日本のアニメが、同等、あるいはそれ以上のインパクトを与えていたはずだと推察される。
詹國新(2002)は小学生が日本のアニメ番組を視聴し、関連商品を購入する状況を調査した。
各学校のサンプル数は以下の表の通った。
(図2.2)調査では、被験者のほとんどが日本のテレビアニメを好んで見ており、毎日長時間アニメに触れているため、アニメの影響を受けやすいことがわかった。
彼らの両親は子どものアニメ視聴にほとんど制限をかけず、視聴するアニメの種類や時間にもあまり干渉しなかったため、子どもたちのアニメ視聴の自主性は比較的高かった。
以上のことから、台湾で日本アニメの受容は高いだけでなく、読者の行動や思考に大きな影響を与えていることがわかる。
2.1 日本アニメと日本文化の関連性
アニメーションの制作過程では、作家や原作者の考えが、その国の思想や文化をその時代背景に合わせて最終的な作品に反映されることが多く、過去にも多くの専門家や学者が同様の概念を異なる視点から指摘する。
大川英明(2006)は、『映画における文化要素と日本語教育』の中で、映画やテレビ作品には、語彙、文法、文型など、日本語教育における基本的な学習項目のほとんどが含まれており、また、日本の社会や文化の紹介や議論に関わる内容も含まれていると指摘する。
大川英明が映画「Shall we ダンス?
例として、文化的要素を抽象的なものと具象的なものに分け、具象的な食べ物、道具、家...
などと、抽象的なシステム、習慣、関係...
などに細分化する。
また、映画の中では、言葉で直接表現されているものもあれば、言葉は直接出てこないものの、映画の背景として描かれているものもあると指摘する。
後者は、映画のストーリーや内容に直接、重要な意味を持つものではありませんが、日本の文化を紹介するのに役立つものだ。
窪田守弘(2007)は、様々な時代の様々なタイプの日本映画には、その時代の日本人の存在様式や考え方の違いが表れていると指摘する。
つまり、映画によって学べる文化が違うということで、この本で紹介されている日本映画には、日本のアニメーションも含まれる。
李敏綺(2009)によれば、日本のアニメは、日本のドラマのように大衆文化と融合し、社会現象を反映しており、外国の視聴者にとっては、アニメを楽しみながら日本の文化を見ることができる。
岡崎正道(1993)は、著書『ドラマ·漫画による日本語教育』の中で、映画やマンガを日本語学習の媒体として利用することの利点として、手軽に利用できること、お金がかからないこと、そして何よりも娯楽性があり、視聴者の学習意欲を高めることを挙げている。
また、ビデオで言語を聞くことで、脳が刺激され、断片的な文章やよく使われる文型、単語を覚えることができるし、テレビや映画を定期的に見ることで、口語的な会話や口語表現ができるようになる。
また、言葉を学びながら、日本の文化もある程度は学べると言われる。
以上のことから、アニメーションから文化を学ぶことは可能である。
本研究では、『あたしンち』のアニメーションが日本文化を忠実に表現しているかどうかを確認するために、文化的に代表的な瞬間を検証する。
第3章 『あたしんち』の場面の分析
3.1 分析方法
筆者は、Youtubeで公開中の『あたしンち』の第1話から第269話までを対象に、日本文化の様々な要素を分析する。
日本文化のすべての要素を論じるのは難しいので、筆者は2.1と同じように6つの部分に分け、それぞれの小節ではアニメで紹介されている文化的要素を2つずつ取り上げることにした。
風俗習慣:
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第1話
14:39
みかんはクラスメートを家に連れて帰って遊ばせた。
3人は玄関に靴を整然と並べて置いた。
靴のつま先を外側に向けて入り口のドアに入れる
図3-1
図3-2
図3-3
アニメでは、主人公やクラスメイトが帰宅後、玄関に靴をきちんと置いている様子が描かれる。
また、靴の置き方にもこだわりがあり、つま先を外側に向けて、2つの靴を合わせる。
玄関で靴のつま先を外側に向けて履くのは、戦国時代に武士の間で流行した茶道に由来する。
混沌とした時代に生まれた武士にとって、刀を持って入ることが許されない茶室は精神的な安らぎの空間だが、敵が来るとすぐにダッシュできるように、つま先を外に向けて靴を置くのだ。
現代日本にとってそれは遠い昔の話だが、この習慣は行儀の一つとして残される。
筆者は日本のホテルで実習していた時も実際こういうことを見た。
客が宴会場に入るところに靴を脱がないといてない。
偶々客が靴を乱雑に置いていれば、職場の先輩は客の靴のつま先を外側向きに置いてあげる、ホテルのサービスの心遣いの一部ということ。
筆者もそこでこういう言わなくてもわかる習慣に気づいた。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第153話
11:11
みかんは学校が終わって帰るところ。
学校の上履き
図3-4
図3-5
図3-6
アニメを見ていると、日本の学校に入る時、室内用の上履きを履き替える必要があることに気がづける。
外履きを履いて、教室に土足で踏み入れることができる台湾とは違う。
ここで、日本の「清潔」という概念が出てきる。
日本人にとって、きれいと汚いの境界線は、家の中と外なのだ。
土やほこりのついた靴は当然ながら不潔とされ、日本人は家に入る前に清潔な室内履に履き替える。
食習慣:
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第13話
9:55
主人公がクラスメイトと味噌汁の具材について話し合う様子
味噌汁の具材
図3-7
図3-8
図3-9
台湾にいた頃は、台湾の和食店ではほとんどの場合、味噌汁には豆腐と昆布が入っているのが当たり前だと思った。
しかし、実習で実際に日本に行った時、日本人は味噌汁にいろいろな具材を入れていることがわかり、筆者の既成概念が崩れた。
アニメでは、主人公と同級生が家で作る味噌汁の具について話しているが、その中で、納豆、ジャガイモ、ナス、煮干し、豆の皮など、さまざまな組み合わせを挙げる。
この点は、私が日本でのインターンシップで実際に経験したことと一致する。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第202話
2:55
テーブルでディナーを食べる家族
餃子をご飯のおかずにする
図3-10
アニメを見てもわかるように、餃子はご飯のおかずとして食べられる。
台湾では餃子は主食ですが、日本ではおかずとして提供され、餃子だけを食べる人はいない。
ラーメンに餃子、餃子にご飯という組み合わせを日本料理店で見たことがあるし、コンビニでは焼きそばやパンもあり、日本では二重主食が一般的な食べ方だと言う事が分かる。
儀式(宗教):
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第41話
21:16
お母さんは水島さんとホワイトデーのチョコスタンドを見ている
ホワイトデーのお返し
図3-11
図3-12
図3-13
アニメを見ていると、バレンタインデーに男の子が女の子からチョコレートをもらったら、ホワイトデーに女の子にお返しをしなければならない。
(同じ内容は173話にも出た)。
バレンタインデーは多くの国で行われているが、お返しをする「ホワイトデー」は、実は日本の菓子メーカーが企画したイベントから始まった。
欧米では、バレンタインデーといえば、カップルや家族で花束やカードを贈り合ったり、男性が女性にプレゼントを贈ったりするのが一般的で、お返しをする習慣はない。
ホワイトデーを行う国は日本を除いてほとんどないが、最近の台湾や韓国でも行われるようになった。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第227話
9:20
お父さんとお母さんは一緒に結婚披露宴に参加する。
日本の着物
図3-14
図3-15
図3-16
着物は日本の伝統的な衣装だが、着付けが複雑のため、現代の日本人はフォーマルな場や伝統的な祭りなど、特定の機会にしか着てない。
お正月、子供健やかに育つを祈る七五三、冠婚葬祭、二十歳の誕生日に行われる成人式、卒業式などである。
アニメでは、お母さんも他の女性親族も黒い着物を着て結婚披露宴に参加している。
台湾の文化では、黒はお葬式を表し、不吉象徴だが、日本の文化では、黒地は既婚女性のドレスの第一礼装であり、非常に厳粛な場に適す。
価値体系:風習、食習慣、社会的タブーなど、ここで取り上げる他のいくつかの要素をカバーしているため、ここでは特に取り上げず、他のサブセクションごとに別のカテゴリーとして取り上げる。
行動のパターン
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第10話
14:20
「納豆を食べるときは、同じ場所から注ぐこと!
次に食べる人のことを考えてみてくれ。」とユズがみかんに言った
人に迷惑をかけないようにする
図3-17
図3-18
図3-19
日本人は人に迷惑をかけないように気を遣うものだが、これは筆者も日本での実習で経験した。
例えば、公共交通機関では電話で話さない、バイブレーションに調整するのを忘れてうっかり鳴ってしまったら、当事者が同じ車両のボックス車両にいる人に謝罪する。
日本人の「人に迷惑をかけない」という精神は、こういった細かい部分にも表れる。
この価値観は、親が子に伝えるだけでなく、政府や文部科学省も真剣に受け止めており、日本の小学生向けの『社会生活教育』にも書かれる。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第83話
12:50
お母さんが友達に遅刻について語る
時間厳守の価値観
図3-20
図3-21
図3-22
アニメを見ていると、遅刻して他の人を待たせてしまうことは、お母さんにとってとてもストレスになることだ。
しかし、筆者は「日本人は時間厳守だ」という考えに対して、異なる意見を持っている。
日本人は時間厳守というよりも、「人に迷惑をかけない」という価値観が影響していると言える。
遅刻すると他人に迷惑をかけることになるので、他人に迷惑をかけないために、日本人は遅刻をしないようにしているのだ。
物質文明:
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第95話
9:33
テーブルで朝食を食べる家族
箸の配置
図 3-23
図 3-24
図 3-25
アニメを見てもわかるように、食事の前も後も、箸はお茶碗の上ではなく、必ずテーブルの上に平らに置きる
台湾では箸を茶碗に平らに置くことが一般的だが、日本では箸の発音が橋の発音に似ていること、箸を茶碗に平らに置く行為が「三途の川を渡る橋」ことを連想させることから、絶対にやってはいけないことになる。
かいすう
時間軸
台詞・状況
文化的要素
第75話
10:38
お父さんはお酒を飲んでお付き合いする。
お通し
図3-26
図3-27
図3-28
アニメでは、サラリーマンが仕事終わりに居酒屋に飲みに行くシーンが描かれるが、テーブルの上には小皿に入ったお通しが置かれる。
お客さまをお迎えして席にご案内することを「お通しする」といい、これが「お通し」の語源になったといわれる。
レストランで食事をすると、お客様が注文してから料理が出てくるまでに待ち時間があり、日本では酒を先に出す習慣があるので、この待ち時間にお客様が先に飲むのだ、「お通し」は待ち時間のための前菜であり、お客様のために生まれたお店の文化だ。
このような詳細を見ると、日本の「もてなし」の心が込められる。
ここで注意したいのは、「お通し」は無料ではなく、チェックアウト時の価格に含まれており、基本料金の一部となる。
3.2 まとめ
アニメ『あたしンち』を見て、日本の様々な文化的要素を様々な角度から分析した結果、筆者は、アニメは日本文化を忠実に反映しており、海外の視聴者は楽しみながら日本文化の印象を深めることができる、という結論に達した。
第4章 結論
4.1 まとめ
本論文は、まず第1章で、本研究の動機と目的、研究方法、内容構成を説明する。
第2章の第1部では、文化の構成要素として、習慣、食習慣、社会的タブー、宗教、価値体系、行動様式、道徳規範、物質文明などが明確に定義されており、これらはその後のアニメで紹介される文化の分析項目として用いられる。
第2部では、台湾における日本アニメの受容状況を調べ、文献を参照することで、台湾で日本アニメの受容は高いだけでなく、読者の行動や思考に大きな影響を与えていることが確認された。
第3部では、日本のアニメと日本文化の関係について論じているが、多くの文献から、日本文化はアニメ作品に組み込まれており、アニメから文化を学ぶことは可能であるという結論が導き出される。
第3章ではまず、日本のアニメでおなじみの『あたしンち』を例に、日常生活における日本文化の分析を行いる。
第1部では、日本人の品行方正さや清潔観念について、第2部では、台湾とは異なる食生活について、第3部では、祭りや祝い事の際の日本人の習慣について、第4部ではもう第2章の第1部で説明する、第5部では、他人に迷惑をかけないという日本人の精神について、第6部では、日本の「おもてなし」の精神や外国人が気をつけるべき常識について、それぞれ紹介する。
4.2 今後の課題
この記事では、『あたしンち』のアニメを議論のテーマとし、議論の内容は文化的構成のパーツを列挙する多面的なものとなる。
しかし、注目すべき点が多すぎる。
実際、『あたしンち』のアニメは280話以上もあり、今回紹介した部分以外にもたくさんの魅力がある。
例えば、食事のおかわりの際に一口分のご飯をお椀に残すのは、ホストに恥をかかせないための日本人の思いやりのある行動ですし、日本人の人の心を読む力、清潔感の概念、集団で協力する精神...
これらの文化的特徴は、今後も深く掘り下げていく価値がある。
これらのエピソードでは、特に女性である作者が、「母」と「立花みかん」という2人の女性キャラクターと、彼らが象徴する文化や思想を描いていることがわかる。
この2人のキャラクターは2つの異なる時代の女性を象徴しており、劇中のほとんどのプロットはこの2人を中心に展開され、日常生活の中での様々な事柄に対するスタンスや見解が描かれる。
だからこそ、『あたしンち』では、主婦の家族への献身や、時代ごとの女性の価値観が描かれるのだ。
見ているだけでも多くのことが学べる。
しかし、家族、食べ物、文化的規範など、数え切れないほどの現れをまとめているにもかかわらず、対照的に『あたしンち』は「父」というキャラクターを描くことに乏しく、ドラマ全体のシーンのほとんどは、父親の仕事後の生活を描く。
この点を研究しようとすると、分析対象として他の作品を選ぶ必要があるかもしれませんが、今後、『あたしンち』で日本の文化を学ぼうとする人が出てきたときには、この点を考慮に入れなければならない。
Corrected No problem
添削が半々になってしまい、申し訳ありません。
途中の「かいすう」を「回数」と添削しましたが、何のことを示しているのか、途中でわからなくなりました。
なので後半の添削は原文そのまま…と、しました。

また、冒頭の「子供の頃、台湾のテレビで」の「子供の頃」を、削除した理由は、アニメが台湾でも人気があるなら、子どもでなく大人も見るだろう…と推測したからです。
そのままでも良いです。
01 Apr 2021 (UTC)
#3 朱(shu) [ISOGaWI]
(Non-native)
あやみさん、ありがとうございます。
01 Apr 2021 (UTC)
Now Loading...